セールは消費者にとってみれば、購買意欲をそそり、また節約にもなる魅力的なキーワードですが、 はたして売る側にとってはどうなんでしょうか。
たとえば、50,000円のビジネスバッグがセール特価で40,000円になっていたとします。
この場合、私たちがお店で買う時の値段(小売価格)は20%OFFということになります。
そうなると、私たちが得した10,000円という差額は、丸々お店(小売店)にとっては損失なんでしょうか。
たとえば、50,000円という定価(元上代または希望小売価格)の60%で、お店がこのバッグを仕入れていた場合、仕入れ値は30,000円となり、セール価格(40,000円)でバッグを1本売った場合の粗利は10,000円です。
「な~んだ、お店が10,000円儲かってんならいいじゃん」
と思いがちですが、仕入れのコスト(配送費、人件費)や店頭での販売コスト(管理費、人件費、包装費)に、お店自体を運営するための色々なコスト(テナント料、光熱費などのランニングコスト)がかかりますので、30,000円で仕入れたバッグを40,000円で売る(粗利25%)のは、ビジネスとしてはあまり成功しているとは言えません。
そこで、オロビアンコのバッグに限らず、小売業界では、セール時にメーカーや卸業者に負担を分担してもらうのが常識です。
たとえば、、、上記の50,000円のバッグが、そもそもイタリアのオロビアンコの工場では130EUROで売られていたとします。
この場合、各社の利益は大まかに想定すると、以下のようになります。
オロビアンコの売値:130EURO(16,900円)
卸業者の利益:+13,100円
小売店の利益:+20,000円(粗利は40%)
消費者の買値:50,000円
※1EURO=130円計算
これを、セール時の利益配分で書き直すとこうなります。
オロビアンコの売値:130EURO(16,900円)
※通常、海外メーカーがセールの負担をすることはありません。従って、ここは変わらず。
※日本のメーカーなら応じてくれるかもしれません。
卸業者の利益:+8,100円
※卸業者は本来13,100円の利益を8,100円に抑えて、差額の5,000円を小売店に返金します。
小売店の利益:+15,000円
※40,000円で売るバッグを2,5000で仕入れたことになります。
※小売店は本来20,000円の利益を15,100円に抑えますが、、、それでも粗利は約38%で、利益率としてみれば通常販売時とあまり変わりません。
消費者の買値:40,000円
※1EURO=130円計算
このようにして、消費者が得する利益に対する販売者側の損失を分担するわけです。
この場合に一番泣きを見るのは、卸業者ですね。
ただ、卸業者も自分たちの利益率を考え、値引き額をもう少し抑えることもできます。
これは、小売り会社と卸業者との契約や交渉によって決められていますね。
0 件のコメント:
コメントを投稿