2013年11月28日木曜日

クールジャパン機構が発足!


クールなジャパンを海外へ


日本がグローバルマーケットで戦っていけると考えている分野で頑張っている企業、すなわち、アニメやファッションなどを積極的に海外に輸出・発信している企業をサポートする半官半民の組織、「クールジャパン機構」(株式会社海外需要開拓支援機構)の開所式が25日の月曜日に六本木ヒルズでありました。

アニメとファッションに特化するつもりなのか、協賛企業には三越伊勢丹、エイチ・ツー・オー、高島屋が名を連ねていました。オロビアンコを扱っている百貨店としては、大丸松坂屋、西武の名前は無かったですね。

 折り紙をモチーフにしたロゴ。ピンクというカラーのチョイスがクール。

  ミナ・ペルホネンのファッションショー。

  大臣やら大手企業の社長やらが参加したテープカット。

クールなジャパンをイメージした映像が流れてました。



オロビアンコも日本のコンテンツとして海外へ?

上海や韓国など、オロビアンコのショップがあるアジアの都市や国では、オロビアンコはイタリアブランドとしてよりも、日本で人気のあるブランドとして捉えられている面が大きいと思います。日本企業とコラボしたアイテムもありますし、それらはイタリアのデザインが加えられた、紛れもない日本製品です。たとえばジャケットやスニーカー、ハンカチ、ベルトなどですが。

今後は日本製のオロビアンコが、海外へ逆輸入という展開もあるかもしれません。そのような未来が少し予期できるような夜でした。実際にイタリアの三越にはオロビアンコが並んでますからね。イタリアの百貨店(たとえばリナシャンテあたり)に置いていないにもかかわらず。イタリア人にとっては、日本ブランドとして認識されていても、不思議ではありません。

2013年11月25日月曜日

ブランドバッグ栄枯盛衰②LANCEL(ランセル)


ブランドを殺すのは誰か。

ブランドバッグ栄枯盛衰①JIL SANDER(ジル・サンダー)でご紹介したブランド論に引き続き、今回もオロビアンコの行く末を占うような事例を紹介したいと思います。

日本に未上陸のブランドを、商社なり、セレクトショップのバイヤーなりが海外で発掘しても、メーカー側が「いやいや、自分達は自国内の顧客が買ってくれる分だけを細々と作っているだけですから・・・」や「顔の見えない相手に売るのは嫌だ・・・」なんていう弱気な発言をすることが考えられます。我が子のように愛情を込めて育てたブランドですから、当然信頼の出来る相手でなければ任すことはできません。

ただ、「じゃあ、最初は少しだけ」と言って輸出した商品が東の国で飛ぶように売れ「追加注文!追加注文!」となった場合、工場の生産能力が追いつかず、ついつい日本側の「じゃあ、日本(中国)の工場で同じようなテイストのものを作りますから、ね。それが売れれば、ロイヤルティーをお支払いしますよ?」という声に耳を傾けてしまうのも無理のないことなのかもしれません。

下にジージャンを紹介するLANCEL(ランセル)も同じような経緯を辿ったのでしょうか。

 都内の古着屋で見つけたいかにも昔のブランド臭がぷんぷんの一着。

定価は驚きの¥39,000。

一度ブランド価値が下がると、再起は難しい


LANCEL(ランセル)は日本でも一時人気がありました。1980年代でしょうか。その後、安っぽいライセンスの革小物(財布やキーケース)や服飾小物(ベルト、ハンカチなど)が大量に作られ、すっかりそのブランド価値を損ねてしまいました。

再起を図り、日本では住友商事とリシュモンジャパン(ダンヒルやクロエを展開する企業グループ)の合弁でランセルジャパン株式会社が設立されますが、ほんの数年で撤退してしまいました。六本木ヒルズの別館のような場所(けやき通り)にアンテナショップをつくったかと思ったら、すぐさま越谷レイクタウンのアウトレットゾーンに店舗を構えてしまう節操の無さ。

じっくり火がつくまで待とうという悠長な販売戦略を現代では取れなくなっている以上、ブランドの立ち上げ、展開にはより慎重にならざるを得ないという結論になります。
オロビアンコはイタリアの本社、しいてはCEOのジャコモ氏がアジア地域のエリアマネージャーとともに厳格にブランド管理をしているので、致命的なミスはそうそう起こらないかと思いますが、とにかく色々なアイテムを開発している(シューアイスからサンダルまで)ので、どこかで誤った商品を作ってしまうと、ブランド全体のイメージに関わるような事態に発展しかねないと思われます。

2013年11月22日金曜日

オロビアンコのライバル紹介⑧ genten(ゲンテン)

本物へのこだわり、genten & dan genten(ゲンテン)!


オロビアンコのライバル紹介④のアニアリ、また⑤のムスタッシュに続き、ドメスティックブランドのライバルを紹介します。デパートやファッションビルのテナントの中でも、ひときわ革の品質を前面に押し出したディスプレイが目立つブランド、それが株式会社クイーポのプライベートブランドgenten(ゲンテン)とdan genten(ダンゲンテン)です。

クイーポはANNA SUI(アナスイ)やpierre cardin(ピエールカルダン)などのブランドバッグを販売(おそらくライセンス生産もしています)しており、つまりはバッグに関して輸入、生産、販売しているバッグの総合メーカーです。

そのメーカーが自信を持って立ち上げたプライベートブランドが原点を意味するgenten(ゲンテン)です。dan genten(ダンゲンテン)はメンズラインですね。

表参道ヒルズ内のdan gentenのショップウィンドウ。
シンプルで控えめなサイン。品質勝負の気概が伝わってきます。

 革が得意なメーカーだけあって、靴も並びます。

タイ製でも日本ブランドの高品質


dan gentenの商品はMade in Thailandのものが多く、クイーポのウェブサイトによれば、タイに自社工場を持っているそうです。タイはミャンマーとベトナムに上下を挟まれ、さらにその下にはマレーシアもあり、その四ヵ国はポスト中国の座を狙う、一大ファッション工場地域になりつつあります。特にファストファッションブランドが中国より賃金も安いそれらの国に工場を持つ傾向がありますが、きちんとした技術指導をすれば、gentenのような高品質の商品も作れるということが証明されました。

gentenというちょっと垢抜けないブランドネーム、また日本ブランドでタイ製ということから、あまりオロビアンコやフェリージを好むイケイケな方達からは目を向けられていないと思いますが、基本はヌメ革(皮の本来の風合いをいかした無着色のもの。経年変化、エイジングが楽しめ、傷もこすれば消える)を用いており、その風合いは大人の雰囲気です。

ブランドイメージとしては、むしろイルビゾンテに近いのかも知れません。いずれにしても、オロビアンコを卒業する人の選択肢のひとつであることは確かです。価格も5万~8万がメインで、こちらもポストオロビアンコといった印象です。


2013年11月19日火曜日

オロビアンコのライバル紹介⑦ Berluti(ベルルッティ)

フランスレザーブランドの最高峰その名は Berluti(ベルルッティ)!


オロビアンコのライバルと言えないほど、価格、品質の面で差があるフランスブランド、Berluti(ベルルッティ)。とにかく品質にこだわりまくった革靴が有名ですが、最近では、アパレルも含めたフルラインを展開していてバッグもあります。


青山通りに面した路面店。付近にも高級ブランドが並びます。

バッグは基本的には面を縫い合わせて成形しますが、靴は木型に合わせて革自体を延ばしたり曲げたりする技術が必要になるので、より手仕事の重要性が高いように思います。バッグに比べると使用する革の量自体も違ってきますので、高級靴の価格の大部分は技術料として見ても良いかもしれません。

ジャケット、パンツ等、フルラインを揃えます。

フランスブランドのこだわり


Made in Franceの商品は年々少なくなっているようで、フランスブランドでもイタリア製ということが珍しくありません。ベルルッティは、そのような状況の中、頑なにフレンチメイドにこだわっている、数少ないブランドの内のひとつです。色気があり、何よりも価格が高いのであまりビジネスの世界でサラリーマンが使っている場面に出会うことはないブランドです。ただ、オロビアンコやフェリージ等の日本企画の色合いが強いイタリアブランドに飽きたという人が次に買うブランドとして、上の方に君臨しているといった印象を受けます。

  
靴作りの道具の数々。バッグではカッターやミシンこそ必要になりますが、
このようなずらっとした一揃いのものは無いですよね。

アンディ・ウォーホルのために生み出されたというカラフルなローファー。
グラデーションがとてもきれいです。


ベルルッティ4代目当主、オルガ・ベルルッティ。 
フレンチファッション界の重鎮、マダム・オルガの名で知られています。

2013年11月16日土曜日

UGG オーストラリアからピンクのムートンブーツ

ピンクのレザーシューズ


表参道ヒルズの地下には以前、BEYES(バイズ)がテナントとして入店しており、オロビアンコやダニエル&ボブなどのバッグが並んでいました。ただ、今では閉店してしまっており、ヒルズ全体でも雑貨などが僅かに扱われているのみです。

ぶらぶらとヒルズ内を散策していると、 可愛らしいレザーシューズが目に入ってきました。
ちなみに、もこもこした毛をアパレルの世界でボアと呼びますが、もともとはコートの首周りにあしらった毛が、あたかも首に巻きついた大蛇(boa)のようだということで、この呼び名となりました。従って、靴の中に敷き詰められている毛はボアと呼ぶには少々筋違いということになります。


 数年前に一世を風靡したUGG(アグ・オーストラリア)。
今でもたまに街で見かけることがあり、人気は多少衰えつつも維持されているようです。

ピンクのスリッポン、ブーツ。


オロビアンコの商品でも、ピンクのナイロンを使用したものはありますが、レザーがピンクのものは少ないです。今回はオロビアンコネタから少し離れて、可愛いファッションアイテムの紹介をいたしました。

2013年11月14日木曜日

佐藤可士和のスーツセレクトにもオロビアンコ!

洋服の青山、紳士服のアオキに続き、コナカ(スーツセレクト)にもオロビアンコ

数年前、当時をときめいていたデザイナー佐藤可士和がディレクションを手がけたことで、かなりの話題性をさらったスーツセレクトという紳士服量販店。実はスーツセレクトは若者向けに開発した業態で、親会社は紳士服のコナカという企業です。洋服の青山(スーツカンパニー、ユニバーサルランゲージ)、紳士服のアオキ(オリヒカ)に加え、ついにコナカでも販売していることが判明しました。どの企業がこの紳士服業態で一番最初に取り扱いを始めたのかは不明ですが、これで、はるやま商事(P.S.FA:パーフェクトススーツファクトリー)での取り扱いさえあれば、紳士服四天王を網羅したことになります。

・・・事実、P.S.FAでの取り扱いもあるということがネット上での調査情報で分かってしまいました。

 佐藤可士和さんのデザインしたロゴ。
 暗闇の中でサインが映えます。

 JR恵比寿駅近くのスーツセレクトEBISU。
ビジネス用に資料がきちんと入るサイズのバッグが多いです。


日本市場におけるオロビアンコの驚異的な浸透


今や、そこそこのメンズセレクトショップでは、オロビアンコを置いていないお店を探すほうが難しいというおかしな状況になってきました。そもそも、高価なイタリアブランドなどは他店舗との差別化を図るために仕入れるようなものであるのに、それが今では、他の店舗と足並みをそろえるために置くようになってしまっています。

もっともこれはオロビアンコに限ったことではなく、日本のファッションビジネス全般に言えることなのかもしれません。一時期人気を誇ったセレクトショップでは、それぞれがこだわった商品を買い付けていて、他の店にあるブランドは、たとえ人気のブランドで売り上げが一時的に上がることが目に見えていたとしても、プライドから自店では取り扱わない、という気概が見えたように思えます。

流通システムの発展のせいもあるかもしれませんが、似たような店ばっかりが増えているような気がしてなりません。
もちろん、奇抜なアイテムをおいたからといって、それがビジネス的に成功するかどうかは疑問なのですが。


2013年11月10日日曜日

ヤマダ電機でもオロビアンコが売られている

オモチャや食料品が並ぶ家電量販店の現状


家電業界のトップをここ数年走り続けてきたヤマダ電機。ただ、価格.comという画期的なサービスの登場や、オンラインショッピングの隆盛の煽りを受け、営業利益は伸び悩んでいるようです。2013年11月8日付けの日本経済新聞では営業赤字が23億円と出ていました。

SONYやPanasonicなど、世界的にも有数の家電ブランドを抱える日本ですが、業界全体としてみても、特に小売り業の状況は芳しくないようで、子ども用のオモチャを売り場に並べてみたり、ディスカウントの飲食物を販売したりと、試行錯誤が見てとれます。

ヤマダ電機でもオロビアンコが売られている


 ビル一棟がまるごとヤマダ電機の売場の場合は、フロアーごとにパソコン、スマートフォン、周辺機器というようにカテゴリを区切っていて、上の階に上がれば上がるほど、本来の家電とは関係のない商品が並ぶようになります。ゴルフのクラブやブランドネクタイなど、スポーツ用品店や百貨店で買うべきものが雑然と売られています。

そして、悲しいことにオロビアンコも並んでいるのです。

 参考上代の2~3割引と、そんなに値引率は高くありません。
参考上代とは、いわゆる定価がない海外ブランド品の並行輸入品でよく見る表記です。


デザイン、カラーともに微妙です。
ちなみに、商品数は多くはありませんでした。


オロビアンコがどのような戦略から、家電量販店に商品を供給しているかは疑問です。ただ、中間に問屋(卸業者)がいると思われ、他のルートで捌ききれなかった商品の行き着く先として、または他のブランド品を大量に卸売りしている関係から、売り場に人気ブランドとして懇願され、置いている可能性もあります。

いずれにせよ、この現状は百貨店やセレクトショップから歓迎されるものでないことは確かです。

2013年11月7日木曜日

オロビアンコの革靴はなかなかドレッシー

オロビアンコの革靴がメンズ雑誌Gainer(ゲイナー)に掲載


光文社が発行するメンズ雑誌Gainer(ゲイナ―)でオロビアンコのドレスシューズが紹介されていました。これまでに、スニーカーやサンダルなどをこちらのブログでも取り上げてきましたが、オロビアンコはもともとはバッグのファクトリーブランド。同じ皮革製品ということで、ドレスシューズの出来には期待が持てそうです。

 ブーツと短靴の紹介。生産国はイタリアと日本の両方の可能性があります。
デザインも装飾的で、バイカラーは色気があります。


以前から靴も細々と展開していたオロビアンコ。ただ、広告まで打って大々的にPRを始めたのはここ数年でしょうか。

 グラデーションがキレイなウイングチップ。
この濃淡はおそらく手塗りでしょうね。イタリア製とのこと。

 
こちらはメンズメルローズの別注。
メダリオンつきのストレートチップ。

フランスブランドでもMade in Italy?

エルメスやヴィトンなどのアイテムでも、生産国がMade in Italyになっていることがよくあります。ネクタイやベルトなどが目立つものとして挙げられますが、ヨーロッパの中では、イタリアはファッションアイテムのファクトリー的な扱いなんでしょう。国をまたいではいますが、お隣同士なので、たとえば東京のファッションブランドが、マフラーは岐阜で作らせていたり、デニムは岡山で作らせていたり、といった感覚に近いと思います。

ただ、シューズはバッグ以上に既存の販売ルートが出来上がっている業界なので、 新進ブランドがビジネスとして成功するには苦労があると思います。果たしてオロビアンコが定着するか、これからの動静に注目です。

2013年11月3日日曜日

オロビアンコの専門店「ルッソビアンコ」が原宿にリニューアルオープン!

ついに直営店か!?LUSSO BIANCO(ルッソビアンコ)のナゾ


2013年10月25日、原宿にオロビアンコのメンズウェアを中心としたアイテムをそろえるオロビアンコのオンリーショップ、LUSSO BIANCO(ルッソビアンコ)がリニューアルオープンしました。
 
LUSSO BIANCO

オロビアンコ誕生から17年の時が経ち(ブランド設立は1996年)、ついに直営店の誕生かと思ったのですが、日本のメンズウェアの老舗メーカー、ラグラックス信和とのパートナーシップを組んだ上での出店とのことです。
オンリーショップを見かけると、ついつい直営店か!?と思ってしまうのですが、たとえばオロビアンコのバッグ、SLG(スモール・レザー・グッズ:財布、ペンケースなど)のオンリーショップ、クアトロアンゴリも運営は大阪の商社・元林です。なぜそこまで自社運営による小売店舗を頑なに持たないかについては、オロビアンコCEOのジャコモ氏いわく

「我々はメーカーであって、販売業者ではない。メーカーが販売に手を出すと、売り上げばかりに目がいき、ものづくりが疎かになってしまう」

とのこと。
たしかにそれは一理ありますね。


アパレルも日本製とイタリア製の2本柱で展開しているようです。
インテリアにもこだわっているのは、さすがのイタリアブランド。

 
住所は渋谷区神宮前3。
表参道、原宿、渋谷近辺のあのオシャレ界隈ですね。

取扱商品はメンズウェアがメインですが、バッグも少しは置いている様子。
路面店のほか、百貨店にもテナントとして出店しています。


2013年11月2日土曜日

DIESEL(ディーゼル)のパーティーに潜入!

DIESEL(ディーゼル)の2014SSコレクション

イタリアのカジュアルブランドとしては、世界で最も成功しているブランドのうちのひとつとして数え上げられるディーゼル。デニムが有名ですが、近年ではバッグやシューズにも力を入れています。2013年11月1日、2014年の春夏のFEMALE(フィメール、最近では、レディースよりもこっちの表現がよく使われますよね)シューズ&バッグのコレクションの発表がありました。

会場は東京・海岸のイベント会場TABLOID(タブロイド)。あのレディー・ガガのシークレットライブも開催されたというオシャレな会場です。いかにも業界人!風のピープルがわんさか。価格帯、ターゲットの年齢層としては、オロビアンコのライバルと言えると思いますので、レポートしておきます。